2020S [2巡目]不当な取引制限
2020-06-08
前回の残り(下記の頁の読み解き)
長崎地銀事例
本件のあと、企業結合ガイドラインに盛り込まれた文章
https://gyazo.com/e4505addc213706f1e4d442ec316ce96
USEN
次回の「私的独占・不公正な取引方法の条文」は、やや、バッファ回なので、不当な取引制限の最後のほうは、次回に回すこととし、じっくり進める。
不当な取引制限の1巡目の振り返り
条文
「独禁法の基本条文」等で条文を用意しておいてください。
2条6項、3条、7条、7条の2以下、の関係 9k90-91
2条6項の読み解き 9k92-93
単純な事例を確認
排除措置命令書を読んで、ハードコアカルテルの場合の認定等のポイントをつかむ。
11:42
必須.icon下記リンク先の本物の判決書で読みます。
多数の名宛人が審決取消訴訟を提起し、第1審の東京高裁で5グループ(5つの裁判体)に分けられたところ、1件のみ、被疑違反行為者側(4社)を勝たせたため、それについて最高裁が公取委の上告を受理して公取委を勝たせた判決。したがって、被疑違反行為者4社が被上告人。
この事件では排除措置命令はされず課徴金納付命令のみがされたため(当時は排除措置命令の除斥期間が短かったため)、課徴金納付命令のみが争われている。
厳密には、当時の手続でいう「課徴金の納付を命じる審決」
9k18の平成17年改正前の右下の「審判審決」
これが判決書1頁の「本件審決」
入札談合に対する典型的な記述の仕方がまとめられています。
事実は、精読するには辛いので、道垣内弘人先生の方法で、大雑把に概要をつかむだけでOKです。授業中に精読する時間はないと思います。
発注者は誰か(2頁)
発注者の発注状況はどのようであったか(2〜4頁)
供給者の3分類(4〜5頁)
「本件33社」(被上告人4社を含む)
「その他47社」
「地元業者」
「公社発注の特定土木工事」72件(5頁)
「本件34件の工事」(5頁)
「本件個別工事」(6頁)
番号11
番号24
番号26
番号30
番号34
番号52
番号71
公取委審決の状況(8〜12頁)
本件基本合意の状況(9〜10頁)
受注調整(個別調整)の状況(10〜12頁)
原審(12〜13頁)
白石としては、原審の論理構造を的確に理解している文献はほとんどないと考えており、正直いうと最高裁もわかっていない(または、わかっていて黙って論点をずらしている)と考えています。詳しくは『独禁法事例集』をお読みください。したがって、最高裁判決を読んで、最高裁判決と原審判決の比較をしようとしても無駄です。最高裁は原審判決のうち都合のよいところしか紹介していないからです。(いわゆる「黒く塗って叩く」)
最高裁判決が、以下の判示で、公取委の判断枠組みを是認した様子は、学習材料として大いに意味があります。
したがって、原審のことは考えず、最高裁判決の以下の理由だけを、よく読んでください。
最高裁の判決理由
行為要件に関する判示
14頁(2)第1段落
「一定の取引分野における競争を実質的に制限する」に関する判示
14頁「また」〜15頁の下2行目
「競争の実質的制限」に関する判示の様子
15頁は2文(two full sentences)から成っているが、どのような位置づけか。[少し高度・・ヒント:合意時説 9k106]
「公共の利益に反して」
念のため
課徴金:入札談合事件での「当該商品又は役務」9k114
以下では、多摩談合最高裁判決を読んだなら馴染みやすくなった(かもしれない)諸点から取り上げる。
「価格決定権限のない者」9k97は最後にする。横に大きく枝分かれした論点であるため。
たぶん、どこかで、6月8日は時間がなくなる。あとは次回。
「基本合意・個別調整」の論争の結果
「公取委の対応」9k105-106
不当な取引制限の成立と終了 9k106-107
違反の成立
多摩最判:合意時説(合意時に、もし実行したら競争制限が確実に起こると見込まれる場合には、合意時に成立する、という考え方)に配慮した判示をしている。
実行としての事業活動を行つた日
投票
違反の終了
立入検査による一斉終了
一部の者の離脱
減免申請なし
減免申請あり
実行としての事業活動がなくなる日
違反の終了の日の前日
基本的な課徴金計算
9k112-117(特に113-115)
「実行期間」における「当該商品又は役務」の「売上額」に「算定率」を乗ずる
当該商品又は役務
入札談合以外の事件 9k113-114
入札談合事件 9k114-115
その物件で個別調整が行われた
当該個別調整に関与
具体的な競争制限効果
公取委:競争単位減少説
https://gyazo.com/64152f9da195e13507990e466ce2bbea
実行期間に関する改正 9k116-117
令和元年改正で課徴金がかかるようになった違反行為類型
9k117-120
改正後の課徴金の条文を覚えるというより、このような類型も(改正前から)2条6項に該当するのであったのだな、と確認するのが大事。
「価格決定権限のない者」9k97
審決等データベース(下記)で「平成28年(行ウ)第453号」を検索し、判決書のPDFファイルを入手してください。
必須.icon
事件番号要素を律儀に3つ入れなくても、例えば453を入れるだけで結果を返してくれます。(元号を平成にする必要はある)
判決書25〜31頁だけでよいので、読んでおいてください。
会社(奥村組土木興業)は、自社顧問のA2が、世紀東急工業のEといろいろと話したとしても、A2は会社から何らの権限を与えられていない(会社において権限を持つのは「札会議」である)、と主張しています。
https://gyazo.com/631fd3e83665c3b7000aead078cad90e
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https://gyazo.com/f8c5f21322de3b9cecb2f3f51ff83959
https://gyazo.com/a82a3d6dd0c4a762cf747abd7975e62b